その他に、右上の前歯（側切歯／2番）は、歯並びが内側にずれて生える「口蓋側転移（こうがいそくてんい）」が見られました。
下の前歯5本（左下犬歯／3番～右下側切歯）は、捻れて生える「捻転（ねんてん）」が起こり、歯並びが少しでこぼこしていました。
また、上下の前歯は咬み合っていない「開咬」も認められました。
右上の奥歯2本（第2小臼歯／5番、第1大臼歯／6番）は、金属の詰め物「メタルインレー」が装着されており、横から見たときに金属が目立つ状態でした。

まず、痛みのある前歯2本の被せ物は除去し、一時的な被せ物「仮歯」にし、根管治療を徹底的に行いました。その際、細菌が入り込まないように細心の注意を払いました。

根管治療終了後、前歯は仮歯のまま歯の表面に四角い装置「ブラケット」を装着し、そこにワイヤーを通して歯並びを整える「マルチブラケット装置」を使用した矯正治療を開始しました。
抜歯をせずに並びを改善させるため、歯と歯の間を広げるバネ「オープンコイルスプリング」なども使い、しっかりと歯の捻れや位置を変えていきました。

矯正治療終了後、前歯はきれいな歯並びに合わせ、より自然に見えるようにセラミックの被せ物を装着しました。
右上の奥歯2本もセラミックの詰め物で作り直しました。

金属色が目立っていた詰め物は、どの角度から見ても自然な歯のように見え、痛みもなく経過は順調です。
患者様には「痛みの解決だけでなく、全体的に考え治療を行ってもらえて、とても満足しています」と喜んでいただけました。

現在は、定期的にメンテナンスでご来院されています。