拝見したところ、上下の前歯8本（中切歯／1番、側切歯／2番）はでこぼこに並ぶ「叢生（そうせい）」でした。
左上の前歯は、捻れて生える「捻転（ねんてん）」も認めました。
また、下の前歯4本は唇側へ斜めに生える「唇側傾斜（しんそくけいしゃ）」が見られ、真ん中の前歯2本は捻転していました。

患者様には、矯正治療でも歯茎が下がる可能性があること、すでに歯茎が下がっているところも、矯正治療後に歯茎を移植しなければ改善しないことを丁寧にご説明し、ご了承いただいてから治療を開始しました。

まず初めの6ヶ月は、歯の表面に四角い装置「ブラケット」を装着し、そこにしなやかな金属「チタン合金」製のワイヤーを通して歯並びを整えるスピード矯正を行いました。
従来のワイヤー矯正治療で使用していたワイヤーよりも柔らかく、かつ折れにくいチタン合金製にすることで、ワイヤー交換の回数が減るため、短期間ででこぼこのない歯並びになりました。

その後の6ヶ月は、歯と歯の間の微調整を重ねて、2週間に1度マウスピースを交換する「インビザライン ライトプラン」で、より綺麗な歯並びにしました。

歯並びが整ったあとは、再度歯並びが悪くなる「後戻り」を防ぐために、上下前歯の裏側は細いワイヤーを歯科用接着剤で装着して固定しました。

現在はメンテナンスとして、定期的にワイヤー固定部分の汚れ除去や、固定部分が外れていないかなどの確認のためにご来院されています。