10代女性 上下の前歯が噛み合わず隙間ができる歯並びをワイヤー矯正で改善した症例

矯正
2025.12.15

10代女性

相談内容

「前歯が噛み合わないので治したい」とご相談いただきました。

診断結果

拝見したところ、重度の開咬(かいこう)が認められました。
開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯が接触せず、隙間ができてしまう状態のことです。

加えて舌がやや大きめで、舌を前方へ押し出す癖(舌癖)も見られました。
これらは、開咬になる要因のひとつと考えられています。

開咬を放置すると、前歯で食べ物を噛み切りにくいだけでなく、奥歯に過度な負担がかかり続けて発音や口元の見た目に影響するリスクもあります。

また、患者様は他院で奥歯の神経を除去する治療を受けられていました。
神経を除去した歯(失活歯)に対する負担を考慮せずに矯正治療を行うと、歯を動かす過程で失活歯に過剰な力がかかり、痛みが出たり歯根が折れたりするリスクがあります。

以上のことから、神経を除去した歯に負担をかけないよう配慮しながら、矯正治療で噛み合わせを整える必要があると診断しました。

治療内容

見た目と噛む機能の両方を改善するため、矯正治療を提案し、同意いただきました。
また、開咬の改善には舌の影響も考慮する必要があることを説明し、状況によっては舌の手術を視野に入れる場合があることもお伝えしています。

矯正治療では、表面に小さな装置を取り付け、ワイヤーの力で段階的に歯を動かすマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)を選択しました。
ワイヤー矯正は、歯の位置を細かく調整できるメリットがありますが、装置が目立ちやすく、取り外しができないため歯ブラシなどのケアがしにくい点がデメリットです。
治療期間は、通常1年半から2年ほどかかります。

まずは上下の歯にマルチブラケット装置を装着し、定期的にワイヤーを調整しながら、少しずつ歯を移動させます。神経を取った奥歯には負担がかからないよう、その部位には装置を付けずに治療を行いました。
また、治療中は装置周囲の歯磨きが難しくなるため、ブラッシング方法の指導も行い、虫歯や歯周病の予防にも配慮しています。

治療計画どおり歯の移動が進み、患者様の納得がいく歯並びになったため、矯正治療を終了しました。
なお、今回は舌の治療は行いませんでした。

矯正治療後は、動かした歯が元の位置に戻らないようにするため、上下前歯の裏側に細いワイヤー(保定装置)を装着し、経過を観察しています。

費用

1,430,000円

治療期間

18ヶ月

リスク・備考 ・治療中、発音しにくい場合があります
・治療中、舌が動かしにくいことがあります
・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります
・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります
・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります

治療前





治療中




治療後






   
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